数学ガール読んだ

PRML読書会なる恐ろしい会が開かれようとしているので、ウォーミングアップとして以前から気になっていた数学ガールを読んでみた。

あまりに面白かったので、2作目であるところのフェルマーの最終定理まで二夜で一気読みしてしまった。

 

大学受験のときから、大学数学は難解で自分の理解を超えているなと思っていた。高校数学までは暗記でどうにかなるが、「大学への数学」を読んでいると自分の届かぬ世界の存在を痛感したものである。

 

数学ガールは数式を追う楽しさと女性への憧れがオーバーラップして完全にハリウッドの危険な経験をともにして愛情が芽生える系のそれと同じ効果が表れているわけだが、高校時代にこんな思い出のひとつやふたつ、あればよかったのにと思わざるを得ない。 

 

数学ガールは1冊目でテイラー展開まで持って行ってくれる。僕もここらへんまでは大学1年のときにかろうじてついて行けた内容で、楽しく読むことができた。2冊目も難しそうなところを飛ばし飛ばし、数学の蜜の部分だけを味あわせていただいた感じでとても楽しく読めました。

どちらかというと行列操作が苦手だったので、ヤコビ行列とかあの辺はもう名前しか覚えていないくらい記憶から抹消されている。

 

数学ガールを読んだ学びは、小さく足場を固めながら進んでいく数学のスタイルを再認識したことだ。最近の仕事では、ユーザーの心理や行動を推測(というか憶測というか決めうち)しながら開発することがたまにあり、キチンと仮説を検証しながら、一歩一歩踏みしめるように進んでいくスタイルがとても歓迎できたのだった。

 

自分というフィルタを通して見える世界にすがるのではなく、数式というごまかしのきかない、誰から見ても明らかな表現手法で世界を表現し、間違いのないものを積み上げていく。人間相手ではそこまでキレイに行かないものだろうというのは分かっているが、再現性のあるものづくりをするうえでは参考にすべき姿勢であろうと思う。

 

今は「いかにして問題をとくか」と「Lean Customer Development」を交互に読みつつ、WoTのTigerⅡさんとキャッキャウフフする毎日である。